「なんでもあるけど、なんにもない」
退屈な人生にうんざりして自ら命を絶とうとした主人公・トワ(真木よう子)が目覚めたところはちょっと変わったサナトリウム。院長(市村正親)が宣告する。君はあと7日間の命だと。
院内では風変わりな人々が隔絶された独特の世界で毎日をすごしている。理想と現実の狭間で自分を追い詰めてしまった元・弁護士ショウコ(風吹ジュン)、愛しすぎてバランスを失った主婦・サチ(中嶋朋子)、完治後も狂気の世界に安住し続けようとする往年の大女優・紅子(淡路恵子)。院長とともに彼らを見守る婦長(荻野目慶子)の姿もどこか普通じゃない。周囲がトワを心安らかに逝かせようと接触を避けるなか、絵描きになる夢を忘れられず、言葉を失ってしまったクロード(イ・ワン)だけは、トワに共感するなにかを感じているのだった。
最初は戸惑い、混乱するトワだったが、おいしいものを食べること、楽しむこと、好きな格好をすること、美しい音楽を奏でる喜び、満ち足りたセックス、人生を彩る愛しいものすべてが彼女を変えてゆき、やがて正直な生への欲求が芽生えてくる。
初めて自分を認め、愛することのできたトワに訪れる出会いと別れ。
身近に迫った死をきっかけに、退屈だったはずの人生が、いま輝きはじめる。 |